2010年7月28日

ご高見(ごこうけん)、どだい、英語難民(えいごなんみん)、戦々恐々(せんせんきょうきょう)、マニフェスト(まにふぇすと)、マスト(ますと)、血道をあげて(ちみちをあげて)

田中:
先輩のご高見によれば、楽天の本社は
別にしても、東京支社、上海支社は、
「英語一色」ということにはなりそうも
ないですね。

小林:
そうだよ。
本社が「英語一色」というのは、あり得る
だろうが、日本語や中国語のマーケットと
向き合う支社が、「英語一色」というのは、
どだい無理っていうもんだよ。
顧客が寄り付かなくなるばかりか、マーケ
ットからの情報も入って来なくなってしまう
からな。

田中:
だったら、日本支社に勤務する「英語難民
は、戦々恐々としていなくても大丈夫なんで
すね。

小林:
大丈夫さ。
君の何とかいう友人に胸を張って伝えても
らってもいいよ。
絶対、日本支社の公用語は「日本語」に
落ち着くから。

田中:
でも、それでは、社長は、恰好悪いですね。
マニフェスト」を取り消さなくてはならない
んですからね。

小林:
いやいや、社長は、こうおっしゃっている
じゃないか。
「これからは、英語の出来ない役員はクビ
だ」と。
この一言が効いて来るさ。
「将来は、本社の役員になる人間には、
 英語はマストだ」と言っている訳だからな。
君の友人も、将来「楽天の本社の役員」に
なりたいのであれば、「英語」を血道をあげ
やらなきゃな。

2010年7月22日

楽観的(らっかんてき)、すぐれて、野心的(やしんてき)、取引停止(とりひきていし)、泣き寝入り(なきねいり)、楯突く(たてつく)、憂き目にあう(うきめにあう)

田中:
楽天の社長の考え方は、楽天的じゃない、
楽観的に過ぎるということでしょうか?

小林:
まあ、そうも言えるし、すぐれて野心的
であるとも言えるな。
何しろ、本社の英語の公用語化を図る
前に、いきなり、各支社の英語の公用
語化を推し進めようというのだからな。

田中:
支社の場合、やはり、マーケットの公
用語に合わさないといけないのでしょ
うか?

小林:
おれが楽天の顧客だとして、「英語の
レター」を受け取ったり、「英語の会議」
をやるなどと言われたら、即、取引停止
だな。
とんでもない話だよ。

田中:
でも、先輩、おっしゃっていませんでした?
確か、「カタカナレター」を日本の顧客企業
に出していたって?

小林:
そうなんだ。
俺が昔お世話になった会社で、そういうこと
をやっていたんだよ。

田中:
結果は?

小林:
相手の泣き寝入りさ。
何しろ、大企業に楯突く訳には行かないか
らな。
取引停止の憂き目にあうからな。

田中:
横暴ですね、その企業は。
でも、そうなると、楽天も、その位マーケット
で横暴になれれば、社外に対しても、英語の
公用語化を強要できるということになりますね。

小林:
そうだよ。
だが、なれるかな?

2010年7月20日

珍説(ちんせつ)、奇説(きせつ)、価値観(かちかん)、濡れ手で粟(ぬれてであわ)、社内認可(しゃないにんか)

田中:
インターネットが世界を分断した、とは、珍説奇説
ですね。

小林:
「常識」を疑うところから、新しい「価値観」が生まれ
るだよ。
そんなの、「常識」だぜよ。

田中:
で、日本のインターネットのマーケットの公用語が
「日本語」であることは認めるとして、社内公用語
を英語にすると何か不便ですか?

小林:
あたぼーよ。
例えば、楽天の日本支社で「濡れ手で粟の極楽
買い物サイト」というプロジェクトの社内認可を申請
するとする。
これを、英語でやらなければならないとすると、どう
なる?
まずは、“A project for ・・・・・・・・・・・”という英語
のプロジェクト名で申請しなくちゃいけないんだぜ。
そして、社内認可が下りた後、日本語に訳すんだ
ぜ。
そんなの、うまく行くかい?

田中:
なるほど。
「英語人」達の中には、「変なプロジェクト名」だと
拒否反応を示す人もいるかも知れませんね。

小林:
ビジネスは、そんなに甘くないぜ。
客は、我先に逃げ出すよ、きっと。

2010年7月18日

私としたことが(わたしとしたことが)、言われてみればそうですね(いわれてみればそうですね)、言われなくてもわかりそうなものだがな(いわれなくてもわかりそうなものだがな)、英語オンリー(えいごおんりー)、分断する(ぶんだんする)

田中:
先輩、「マーケットの公用語」って言われまし
たが、インターネットの世界では、全て英語で
しょ、日本でも、アメリカでも、中国でも?

小林:
なるほど。
君は、インターネットは、全て「英語」って訳か。

田中:
とんでもないですよ。
全て「日本語」ですよ。

小林:
だろう?
だったら、日本のマーケットの公用語は、「日本
語」だろうが?

田中:
あっ、そうか。
私としたことが・・・。
言われてみれば、そうですね。

小林:
言われなくても、分かりそうなものだがな。
君だけじゃないから、心配いらないよ。
多くの人が、同じような偏見を抱いているよ。
いいかい、インターネットが広く普及したのは、
英語オンリー」じゃなく、各国語で楽しめる
からだよ。
インターネットは、世界を一つに結び付けた
のではなく、世界を分断したんだぜよ。

田中:
????????

2010年7月15日

無国籍企業(むこくせききぎょう)、社内公用語(しゃないこうようご)、身振り手振り(みぶりてぶり)、かゆいところに手が届く(かゆいところにてがとどく)、いいことづくめ、問題点(もんだいてん)

田中:
先輩、「無国籍企業」は、「社内公用語」が統一されて
いるので、社内のコミュニケーションは、抜群にいいで
しょうねえ?

小林:
そりゃー、当然だよ。
トイレが汚れていたら、清掃のおばさんに「Hey,please
clean ・・・」と英語で言えば通じるのだから、変な身振
り手振りなんか必要なくなるよ。

田中:
たしかに、かゆい所に手が届く、っていう感じですね。

小林:
だが、いいことづくめかと言えば、そうでもないんだよ。

田中:
どんな問題がありますか?

小林:
次の表を見て、何か、問題点に思い当たらないかい?

              無国籍企業     多国籍企業

  東京本社       英語          英語
  東京支社       英語          日本語
  上海支社       英語          中国語
  ニューヨーク支社   英語          英語

田中:
そうですね、やはり、人材が集めにくいのではないかと
思います。
特に、東京支社と上海支社は。

小林:
違うな。
最大の問題は、「マーケットの公用語」と「社内公用語」
が乖離しているってことなんだよ。

2010年7月11日

社内公用語(しゃないこうようご)、大見えを切る(おおみえをきる)、無国籍企業(むこくせききぎょう)、夢のまた夢(ゆめのまたゆめ)、引き合いに出す(ひきあいにだす)、あながち、夢物語(ゆめものがたり)、勢い(いきおい)、取らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう)、まっしぐら

田中:
先輩、どうされました?
なんだか不機嫌ですね。

小林:
さっきテレビを見ていたら、「楽天」は「英語社内公用語
化」にあたり、TOEIC750点を基準として設けるらしい。
この程度のレベルの話だったら、何も記者会見までして
大見えを切る必要なんかないよ。
無国籍企業」など、夢のまた夢だよ。
望みが低過ぎるよ。

田中:
先輩、そんなものですよ。

小林:
以後、「楽天」を引き合いに出すのは、止めよう。

田中:
でも、日本人社員はダメでも、英語を使いこなす
外国人社員が大勢入社して来れば、あながち
夢物語とも言えないのではないでしょうか?

小林:
そうか、こんな感じか。
  本社:東京       非日本人90%、日本人10%
  支社:東京       非日本人85%、日本人15%
      ニューヨーク  非日本人98%、日本人 2%
      上海       非日本人99%、日本人 1%

田中:
何だか、勢い「日本人社員駆逐大作戦」のような様相を
呈して来ますね。

小林:
取らぬ狸の皮算用、非日本人の優秀分子が来てくれる
かな?
いずれにせよ、少し見えて来たような気がするな、社長の
狙いが。
やはり、「無国籍企業」に向かってまっしぐら、ってとこだ
な。

無国籍企業(むこくせききぎょう)、多国籍企業(たこくせききぎょう)、社内公用語(しゃないこうようご)、蛇蝎のごとく嫌われる(だかつのごとくきらわれる)、桎梏(しっこく)

田中:
無国籍企業」と、「多国籍企業」の違いは、
支社における「社内公用語」の違いと理解
してよろしいでしょうか?

小林:
いや、それだけではないよ。
無国籍企業」とは、「世界のどこにでも瞬時
に本社を移すことが出来ると企業」と定義で
きるな。
うちのおじいちゃんの企業を例にとれば、
おじいちゃん(名古屋)、おじいちゃんの兄さん
(コペンハーゲン)、おじいちゃんの弟(ウラジ
オストック)の誰もが、いつでも、本社トップに
なることが出来るんだよ。

田中:
つまり、日本政府、デンマーク政府、ロシア政府
がこけても、常に企業は生き延びられるという訳
ですね。

小林:
その通り。

田中:
となると、企業が、簡単に政府を見捨てることに
なり、各国政府から、蛇蝎のごとく嫌われること
になりませんか?

小林:
もちろんだよ。
そんなの常識だぜ。
企業は、常に、政府の課す様々な桎梏から逃れ
ようと必死なんだよ。

田中:
????????

2010年7月8日

多国籍企業(たこくせききぎょう)、無国籍企業(むこくせききぎょう)、市民権を得ていない(しみんけんをえていない)、後は推して知るべし(あとはおしてしるべし)、コンサル会社(こんさるかいしゃ)

田中:
仮に「楽天」が10年後にこんな姿になっていたと
すると、この会社は、「多国籍企業」に分類される
べきでしょうか、或いは、「無国籍企業」に分類さ
れるべきでしょうか?

  本社:東京
  支社:東京
      上海
      ニューヨーク

小林:
これだけでは、なんとも言えないな。

田中:
では、
  本社:東京     (社内公用語)英語
  支社:東京     (社内公用語)日本語
      上海      (社内公用語)中国語
      ニューヨーク (社内公用語)英語
では?

小林:
多国籍企業」と言えるな。

田中:
では、では、小林先輩が創られたまだ市民権を
得ていない無国籍企業」とは、どういうもので
すか?

小林:
それこそ、三木谷浩史社長が目指しているも
のさ。
こうなるんだよ。

  本社:東京       (社内公用語)英語
  支社:東京       (社内公用語)英語
      上海       (社内公用語)英語
      ニューヨーク  (社内公用語)英語

この会社では、食堂に働くコックさんも、清掃の
おばさんも、皆、「英語」しか話しちゃいけない
んだよ。
後は推して知るべしだよ。

田中:
こんな企業ありますか?

小林:
あるさ。
うちのおじいちゃんが経営するコンサル会社
は、全て「名古屋弁」を社内公用語としている
よ。

田中:
その会社に、支社は、あるのですか?

小林:
あるよ。
名古屋とコペンハーゲンとウラジオストックに。
だから、立派な「無国籍企業」さ。

2010年7月4日

社内公用語(しゃないこうようご)、苦々しく思う(にがにがしくおもう)、枝葉末節(しようまっせつ)、絵に描いた餅(えにかいたもち)、机上の空論(きじょうのくうろん)、多国籍企業(たこくせききぎょう)、無国籍企業(むこくせききぎょう)

田中:
最近、「楽天」や「ユニクロ」のように、日本企業
の中に「英語を社内公用語化」する会社が増え
て来ていますが、どう思われます?
先輩のことだから、苦々しく思っていらっしゃる
でしょう?

小林:
別に。

田中:
大部分の英語の出来ない日本人が切り捨てら
れてしまうことを意味しませんか?

小林:
なるほど、君はそういう風に、この問題を捉えて
いるのか?
浅はかだな。
そんなのは枝葉末節もいいところだぜよ。
問題の本質は、そんなところには無いよ。

田中:
そうでしょうか?
英語を話せない社員は、次々に転職して
行ってしまいませんか?
そして、それに代わる社員の補充がきき
ますかね?
どこに、英語を自由に「話したり」「書いた
り」出来る日本人がいますか?
絵に描いた餅」、「机上の空論」に
終わるんじゃありませんか?

小林:
確かに、「人材確保」の面の難しさはあるが、
それを上回る、もっと、大きな問題が潜んで
いると、俺は見るな。
それは、「多国籍企業」か「無国籍企業
かの問題と言い替えることが出来るな。

田中:
????????????

2010年6月29日

一頃の勢い(ひところのいきおい)、寝ぼけたことを言う(ねぼけたことをいう)、痛み分け(いたみわけ)、お流れになる(おながれになる)、あたるも八卦(あたるもはっけ)、必勝祈願(ひっしょうきがん)

小林:
お前、今度は、どっちが勝つと思う?

田中:
そうですね、民主党には一頃の勢いがなくなって来ていますから・・・。

小林:
何、寝ぼけたことを言っているんだよ
パラグァイか、日本かってことだよ。

田中:
なーんだ、そんなことですか。
それだったら、「小森純」さんに聞けばいいじゃないですか。

小林:
??
誰それ?
「占いタコ」なら知っているがな。

田中:
日本を救う「女神」ですよ。

小林:
で、その彼女と「占いタコ」の予想が割れたらどうなるんだよ?

田中:
そうなったら、当然、「痛み分け」ってことですよ。

小林:
どういうこと?

田中:
「試合不成立」ってことです。

小林:
分からん、ますます、分からんな。

田中:
W杯そのものが、お流れになってしまうんですよ。
その位、彼女らの予想的中率は、すごいんですから。

小林:
「占いタコ」は女?
まあ、あたるも八卦だから、どうでもいいや。
さあ、行くぞ!

田中:
どこへですか?

小林:
必勝祈願、「ヤタカラス」様に決まっているだろうが!

2010年6月10日

親の七光(おやのななひかり)、世襲制(せしゅうせい)、どっかりと腰を下ろす(どっかりとこしをおろす)、栄華を極める(えいがをきわめる)、蝶よ花よ(ちょうよはなよ)、兵糧攻め(ひょうろうぜめ)

田中:
先輩、また首相が交代しましたね。
短命ですね、最近の日本は。
親の七光ってのは、どこの国でも
長くは持たないんですかね?

小林:
そうとばかりは言えまい。
北朝鮮を見てご覧よ。
世襲制どっかりと腰を下ろして
いるじゃないか。

田中:
そうか、日本の場合は、むしろ、二光、
三光位しかないのかも知れませんね。
親の威光が不十分。

小林:
君も一族の栄華を極めようと思うなら、
よくよくその辺のところを研究すること
だな。

田中:
子孫達が蝶よ花よと育てられながらも、
お坊ちゃんやお嬢ちゃんにならないよう
にするにはどうすればよいのか、って
ことを研究しなければならないのです
ね。

小林:
そうだよ、蝶や花だけ与えて、兵糧攻め
にしちまえばいいんだよ。

田中:
??????????????

2010年5月20日

猛威をふるう(もういをふるう)、あって無きが如し(あってなきがごとし)、聞く耳を持たない(きくみみをもたない)、持ち回り(もちまわり)、おざなりな、にっちもさっちも行かなくなる(にっちもさっちもいかなくなる)

小林:
「口蹄疫」が猛威をふるっているな。

田中:
どこから感染したのでしょうかね?
アジアだけで4種類もあるそうですね。

小林:
この面では、正にアジアは、既に「一体」、
或いは「一地域」と言えるよな。
もう、国境なんてあって無きが如しだ
よな。

田中:
「ウィルスちゃん」に、「ここは外国ですよ。
VISAが無ければ入っちゃダメですよ」なん
て言っても、聞く耳を持たないですからね。

小林:
俺は、近いうち、「アジア衛生機構」の
ような全アジアをカバーする機関の
創設が必要となって来ると見るな。

田中:
既にありますよ。
「APOSHO」って言うらしいですよ。
「アジア太平洋労働衛生安全機関」
といって、持ち回りで、会議を開いて
いるらしいですよ。

小林:
そんな、おざなりな対応では、にっちも
さっちも行かなくなるんと違うか。

田中:
先輩、まずは、NPOでも立ちあげましょ
うか?

小林:
いいな。
で、俺の給料は、いくら出す?

田中:
??????????

2010年5月9日

すべからく、世界観(せかいかん)、肌で感じられる(はだでかんじられる)、揶揄する(やゆする)、身にしみてわかる、視野が広がる(しやがひろがる)、うかうかしていると

小林:
まあ、俺が今言ったことは、首相に限らないがね。
日本国民は、すべからくアジア各地に出かけて
来るべきだよ。
特に、アジアの大国、中国、インド、インドネシア
などのど真ん中に立って、四方八方を眺めて見る
べきだよ。

田中:
そこからは、何が見えるんでしょうか?

小林:
いろいろなものが見えるさ。
山あり、谷あり、川あり、海あり、島あり、・・・。
アジアは、上海、香港、ニューデリー、シンガポール、
東京、ソウルのような大都市だけでないことも見えて
来る筈だ。

田中:
世界観、変わりますかね?

小林:
変わるとも、大いに変わるさ。
特に、アジアの広さが肌で感じられるはずだよ。
商人的発想だと揶揄されるかも知れないが、
自分が相手にするマーケットは、日本という島国
だけではなく、こんなにも広いんだということが
身にしみて分かるはずだよ。

田中:
なるほど。
視野が広がるって訳ですね。

小林:
そう。
マーケットに対する見方が変わるだけではなく、
余りにも多くの人が、毎日、日本なぞ意識せずに
暮らしていることも分かるはずだ。

田中:
嘘でしょう、先輩。
今の時点では、まだ世界第2位の経済大国、日本
を意識しないで、生きているなんて。

小林:
そうだよ。
日本の場所すら知らない人も多いんだよ。
それに、うかうかしていると、今頃、既に第2位から
第3位に転げ落ちてしまっているかも知れないぞ。

2010年5月5日

話を蒸し返す(はなしをむしかえす)、歴訪する(れきほうする)、言葉尻を捉える(ことばじりをとらえる)、存在意義(そんざいいぎ)、もやもやっとする、

田中:
ところで、話を蒸し返すようですが、日本人が
アジアの一員であるということを意識するため
には、どうしたら良いとお考えですか?

小林:
そうだな、首相に、沖縄を飛び越えて、アジア
各地を歴訪していただくというのは、どうかな、
その国の民族衣装を着て?

田中:
先輩は、沖縄の基地問題は、重要ではないと
おっしゃるのですか?

小林:
お前、そういう他人の言葉尻を捉えての発言
は、気に食わんな。
正に、正反対だよ。その重要な問題を考える
上でも、台湾、中国大陸、ベトナム、・・・と回
って来るべきだと思うよ。
米軍の海兵隊の存在意義が、更にグッと胸
に迫って来るに違いないよ。
ところで、全くくだらないことかも知れないが、
「へのこ、へのこ」と言われると、何だかもや
もやっとして来ないか?

田中:
全然。
それに、「辺野古」の人達に失礼ですよ!

小林:
なんだか、「ほどがや、ほどやが」って言われる
のと同じような気分になってしかたないよ。

田中:
「保土ヶ谷」の人達に、失礼ですよ!
先輩は、「語感過敏症」と違います?

お医者さんに診てもらった方が良いと思います
よ。

小林:
分かったよ。だけど、何科に行けばいいんだよ。

田中:
そうですね、「強迫性障害治療」をやってくれる
ところですかね?

小林:
おお、こわっ!
その言葉を聞いただけで、ぞくぞくって
して来たよ。

田中:
変な人!

2010年4月25日

生兵法(なまびょうほう)、余すところなく(あますところなく)、きりが無い(きりがない)、日常茶飯事(にちじょうさはんじ)、郷に入れば郷に従え(ごうにいればごうにしたがえ)、一理ある(いちりある)

田中:
先輩、私の場合、大概の外国人とは直接
話ができるので、日本人のガイドは不要で
す。

小林:
それが、間違いの元なんだよ。
生兵法の見本だな。

田中:
どうしてですか?現地の人間から生の情報
を得る方が良いに決まっているじゃないです
か・・・。
ツアーガイドにしても、日本人より、現地の
ツァーガイドの方が、いろいろなことを広く
深く知っていて良いですよ。

小林:
君は、本当に、島国の人間の特徴を余す
ところなく備えているな。
君は、現地の人の言うことを本気で信じ
て疑わないのかい?

田中:
そうですよ。
疑っていたらきりが無いじゃないですか。

小林:
じゃー、一つ例を挙げて見ようか。
通りで、「痰を吐く」人を見かけたとする。
君が、お得意の現地語で、「こういう人は
多いんですか?」と聞いたと仮定する。
どういう答えが返ってくるかな?

田中:
「ごく少数の人間のこういった行いが、
わが民族のイメージを落としめますね。」
「政府も指導しているのです、こういう
行為はかなり減って来ましたね。」
「めったに見かけませんよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小林:
日本人ガイド達だったら、どう答えるだ
ろうか?
と言うより、どう答え得るだろうか?

田中:
??????????????

小林:
日本人同士の会話なら、どう答えても
良いだろう。
従って、
日常茶飯事ですよ。」
「この間、首相もやってましたよ、堂々と。」
「簡単には、治りませんね、こういう習性は。」
「気候が乾燥しているから、仕方ないんですよ。
 私も、ここに来てからは、郷に入れば郷に従え
 で、やってますよ。」
などと言うことが許されるはずだよ。

田中:
なるほど。
一理ありますね。

2010年4月11日

腑に落ちない(ふにおちない)、納得が行く(なっとくがいく)、割高(わりだか)、リッチだ(りっちだ)、一辺倒(いっぺんとう)、やまやまですが、先立つ物がない(さきだつものがない)、こう見えても(こうみえても)、大きく出たもんだ(おおきくでたもんだ)、耳を皿にして聞く(みみをさらにしてきく)

小林:
まだ、腑に落ちないって顔をしているけど、
大丈夫かな?
「アジアのツアー」には、君が住んでいる
町の隣町へ出かけることも含まれている
ってこと、納得が行ったかね?

田中:
よーく、分かりましたよ、日本の国内旅行も、
「アジア旅行」と考えるべきだという、先輩の
主張は。

小林:
そう言えば、日本の国内旅行は、日本を除く
アジア地域への旅行に比べて、割高だよな?

田中:
そうですよ、今時は、日本国内を旅行している
人達は、リッチな人達なんですよ。
うちの両親なんか、国際線の旅、一辺倒ですよ。
たまには、日本国内の温泉などに行かせてやり
たいですよ。

小林:
だったら、親孝行に、自分の食費を削ってでも、
「花見+温泉ツアー」にご招待したらどうかね?

田中:
いやー、そうしたいのはやまやまですが
なにせ、先立つ物がないですので・・・。
「宝くじ」でも、あたれば、「南極」でも、
「マチュピチュ」でも、どこでも行ってもらえ
ますが・・・。
ところで、先輩、なぜ、「日本人ガイド付き」
が、お勧めなんですか?
こう見えても、私の英語は、・・・。

小林:
知ってるよ。上智大学の星。TOEIC980点で、
おまけに、20ケ国語操れるんだろう、君は。

田中:
まー、そんなところですが・・・。

小林:
20ケ国語とは、大きく出たもんだな。
そういう人こそ、旅行先では、「日本人ガイド」
さんの話を、耳を皿にして聞くべきだよ。

田中:
??????

2010年4月5日

馬脚をあらわす(ばきゃくをあらわす)、とくと見る(とくとみる)、暗示にかけられる(あんじにかけられる)、多少なりとも(たしょうなりとも)、聖域視する(せいいきしする)、早とちり(はやとちり)、牽強付会(けんきょうふかい)、やらせ

田中:
先輩、どうして、徳之島なんですか?
どうして、ニューデリー、ジャカルタ、敦煌
ではないんですか?

小林:
そら、そうやって、すぐに馬脚をあらわす
徳之島は、どこにあるんだ?

田中:
鹿児島県です。

小林:
違うよ、「地球ーアジアー東アジアー日本ー鹿児島県」
にあるんだぜよ。

田中:
それは承知しているつもりです。

小林:
いや、君の頭の中は、「地球ー日本ー鹿児島県」
になっているはずだよ。
自分で頭の中をとくと見てご覧。

田中:
なるほど、言われてみれば・・・。
いや、先輩の暗示にかけられたような気も
しますね。

小林:
「ニューデリー」は、どうかな?

田中:
「地球ーアジアー南アジアーインドーニューデリー」
となっていますね。
でも、先輩、どこの国民も、自分の国については、
多少なりとも聖域視しているんじゃないでしょう
か?

小林:
それは、早とちりもいいところだぜよ。
隣の李さんに、聞いてみようよ。
李さん、君の故郷の「チェジュ島」は、どこにあるの?

李:
アジアの東端の島国、日本の西方にあります。
それが、どうかしました?

小林:
だろう?

田中:
なるほど、と言いたいところですが、牽強付会
て気もしますね。
李さんと組んだやらせじゃ、ありませんか?

2010年3月30日

拝聴したい(はいちょうしたい)、よくぞ聞いてくれた(よくぞきいてくれた)、・・と言いたいところだが(・・といいたいところだが)、取り立てて(とりたてて)、人を唸らせる(ひとをうならせる)、いい線行っている(いいせんいっている)、下手の考え休むに似たり(へたのかんがえやすむににたり)

田中:先輩、日本人が、アジアの一員である
という自覚を持つためには、どうすれば良い
とお考えでしょうか?
是非とも、先輩のご意見を拝聴したいもので
すね。

小林:
よくぞ聞いてくれた、と言いたいところだが
取り立ててすぐれた意見を持っている訳では
ないよ。

田中:
いえいえ、先輩のことですから、きっと人を唸ら
せるような卓越したご意見をお持ちのはずです。

小林:
そうおだてられても、ないものは・・・。

田中:
まさか、アジアの地図を買うなんてことではない
でしょうね?

小林:
おー、それは、なかなかいい線行っているよ

田中:
いえ、下手の考え休むに似たりですよ。

小林:
「アジアのツアーに参加すること」だな。
それも、「日本人のガイド付きのツアー」
がいいな。

田中:
例えば、どこに行けばいいですか?

小林:
そうだな・・。
釧路、徳之島、・・・。

田中:
??????

2010年3月15日

天下の(てんかの)、噛み砕いて説明する(かみくだいてせつめいする)、一括りにする(ひとくくりにする)、目に見えている(めにみえている)、腐っても鯛(くさってもたい)、長ったらしい(ながったらしい)、だろう?、回りくどい話(まわりくどいはなし)、脱亜入欧(だつあにゅうおう)、底流(ていりゅう)

田中:
でも、先輩、今朝の日経新聞にも、「アジア・中国」
とありましたよ。

小林:
そうだろう。
天下の日経でもそうなんだよな。
やはり、中国やインドの扱いに戸惑いを覚えている
ってことかな?

田中:
先輩、もう少し噛み砕いて説明していただけません
か?

小林:
こういうことだよ。
昔は、中国やインドは、アジアの一部分で良かった
のだけれど、今や、アジアとして一括りにするには、
大き過ぎると感じ始めているということさ。

田中:
だったら、「中国」「インド」「中国、インドを除いたアジア」
と三つに分ければすっきりするのでは、ないでしょうか?

小林:
うん、そうすれば、かなりすっきりするな。
だが、俺は、それでも不十分だと思うんだ。
三つでは足りないと思うんだ。
日本は、どこにあるんだ?

田中:
日本は、「日本」でしょう?
今年中に中国に抜かれるのは目に見えているにしても、
腐っても鯛、今のところ、世界第二の経済大国ですから。

小林:
だったら、「日本」、「中国」、「インド」、「日本、中国、インド
を除いたアジア」の4つになるな。

田中:
なるほど。
でも、長ったらしいですね。
「日本・中国・インド・日本、中国、インドを除いたアジア」
なんて、新聞に書けませんよね。

小林:
だろう?
だったら、「アジア」でいいじゃないか。

田中:
そうか?
「日本、中国、インドを含めたアジア」ってことですね。

小林:
回りくどい話になったけれど、俺が言いたかったのは、
ややもすると、日本人は、「アジア」から自分を除けて
しまいがちだということなんだ。
そして、これが、「脱亜入欧」といった考え方の底流
なっているのではないかということさ。

2010年3月10日

井蛙大海を知らず(せいあたいかいをしらず)、学がある(がくがある)、混然一体(こんぜんいったい)、御説ごもっとも(ごせつごもっとも)、ならいい、複雑怪奇(ふくざつかいき)、

田中:
先輩のおっしゃられた1.の「井蛙大海を知らず
ですが、確かに、日本は、「アス」の「アス」にあり
ますから、そういう風になりがちですよね。

小林:
「アス」の「アス」?
「ヒップ」の「ヒップ」?
ああ、なかなか学があるな。
ヨーロッパから見た「東」という意味だろう?

田中:
良くご存じでしたね。

小林:
常識だよ、そんなの。
「アジア」の語源だろう?

田中:
で、先輩がおっしゃりたいのは、日本から
アジアを眺めた場合に、中国、インド、
朝鮮半島、インドシナが皆、混然一体
なってしまい、
 「日本」対「日本以外」=「日本」対「アジア」
というようなものの見方が生まれてしまって
いるということでしょう?

小林:
お前、知識だけではなく、判断力も相当な
ものだな。
正に、それを言いたかったんだよ。
日本からアフガニスタンあたりまでを「アジア」
と呼ぶとしたら、この地域に、前世界の60%
の人口が集中しており、40億人もいるのだ
からな。
日本は、それにひきかえ、1億人。
「40分の1の日本」VS「アジア」というものの
見方は、正に、「井蛙大海・・・」と言わざるを
得ないな。

田中:
御説ごもっともです。
でも、円の縁から真ん中を見ていた方が
円全体がよく見えるってこともあるのでは
ないでしょうか?

小林:
ならいいがね。
この間も、ある大手の旅行会社のサイトを
見ていたら、

 【予約センター電話番号】
  アジア・中国・韓国 
  ー中国・香港・韓国・モンゴル ・・・・・・・
  ーその他アジア         ・・・・・・・  

となっていたよ。
お前、じっと見てご覧。
複雑怪奇だぜよ。

田中:
そうでしょうか?
インドネシアなら、「その他アジア」でしょう?
インドも、「その他アジア」でしょう?

小林:
じゃー、「台湾」は?
「北朝鮮」は?
そもそも、中国や韓国は、「アジア」じゃないの?
アメリカのサイトに、
  
  アジア・日本・フィリピン

とか、

  日本・鹿児島・北海道

と表示するようなものだぜ。

田中:
ん~~~~~~~~~ん。
   

2010年3月2日

当たり前もいいところ(あたりまえもいいところ)、気に食わない(きにくわない)、手っ取り早く言うと(てっとりばやくいうと)、島国根性(しまぐにこんじょう)、脱亜入欧(だつあにゅうおう)、夜郎自大(やろうじだい)、葦の髄から天井覗く(よしのずいからてんじょうのぞく)、癪に障る(しゃくにさわる)

田中:
先輩、日本は、ほら、ここにあります。

小林:
東の果て、絶海の孤島にあるだろう?

田中:
先輩、それは、インドや中国の地図で
でしょう?
日本の地図では、日本は、どまん中に
ありますよ。

小林:
そんなの、当たり前もいいところさ。
ルクセンブルクの地図だって同じさ。

田中:
なんで、ルクセンブルク?
まあ、それはともかく、インド、中国を
含めたアジアの地図では、日本は、
確かに東の果てにあります。
先輩は、それが気に食わないのです
か?

小林:
違うな。
手っ取り早く言うと、次の二点が、
気に食わないんだよ。
1.島国根性
2.脱亜入欧

田中:
?????

小林:
1.は、夜郎自大と言ってもいいな。
或いは、葦の髄から天井覗く、と言っても
いいな。

田中:
ああ、「島国根性」とは、“insurarity”、
葦の髄から天井覗く」は、 “坐井観天”の
事ですね?

小林:
??
何で、いちいち英語や中国語にしないと、
理解できないのかね?
自分の言葉で理解できないのかね?
俺が癪に障るのは、そこなんだよ。

2010年2月23日

大筋では認める(おおすじではみとめる)、もうひとつだ、気に食わない(きにくわない)、衰退に向かう(すいたいにむかう)、日の出の勢い(ひのでのいきおい)、危機感を覚える(ききかんをおぼえる)

田中:
先輩、バンクーバーオリンピックなどでも、
アジア・中国勢の活躍が目立ちますね。
景気にしても、中国・インド・アジアが
牽引しているって感じですよね。
いよいよ、東アジア、東南アジア
の時代到来ですね。

小林:
君のその発言、大筋では認めるけど、
言葉使いが、もうひとつだな。

田中:
何が問題です?

小林:
まあ、君だけじゃないがね。
メディア全体に言えることだがね。
気に食わないんだよ。

田中:
何がですか?
日本が、相対的に、衰退に向かっている
ということですか?
中国が、日の出の勢いで、2010年半ば
に、GDPにおいて、日本を追い抜くことが
ですか?
それとも、格安の自動車を生産するインド
危機感を覚えるということですか?

小林:
違うよ。
全然気が付いていないみたいだな。
君が「アジア」という場合、どこを指して
いるか、ということなんだよ。

田中:
先輩、地理が不得意だったようですね。
アジアと言えば、この地域を指すんです
よ。

小林:
では、聞くが、日本は、どこにあるの?

田中:
は~~~~~~あ?????

2010年2月11日

件の(くだんの)、帯に短したすきに長し(おびにみじかしたすきにながし)、正確を期す(せいかくをきす)、聖人君子(せいじんくんし)、名だたる(なだたる)、いい勝負(いいしょうぶ)、大和撫子(やまとなでしこ)、大和撫子七変化(やまとなでしこしちへんげ)

田中:
先輩、先輩が下した結論というのは、件の
彼女は、日本という風土が生み出した逸材
ではあるけれど、先輩が伴侶とするには、
帯に短したすきに長し、ってことなんです
ね?

小林:
いや、正確を期すと、帯にもたすきにも
長過ぎるってとこかな。
とにかく、俺には、聖人君子は務まらない
からな。

田中:
ところで、こういう場面を一シーンにした
映画を撮り、世界の名だたる映画祭に
出品したら、反響があるでしょうね?

小林:
「シーラカンス見つかる!」、「始祖鳥見
つかる!」っていう見出しでか?

田中:
そうですよ。彼女は、「シーラカンス」と
いい勝負ですよ。

小林:
そうだ、こういう博物館を造ってはどうかな、
大和撫子博物館」?

田中:
それって、「女子サッカー博物館」と間違え
られません?
大和撫子七変化博物館」は、どうでしょ
うか?

小林:
「版権」の問題は、ないかな?

2010年2月8日

掃き溜めの鶴(はきだめのつる)、気が利く(きがきく)、気配りができる(きくばりができる)、身動きが取れなくなる(みうごきがとれなくなる)、しらじらしい、取ってつけたような言い訳(とってつけたようないいわけ)、目くそ鼻くそ(めくそはなくそ)、五十歩百歩(ごじゅっぽひゃっぽ)

田中:
何はともあれ、先輩、「肥溜の天女」に出会った瞬間、
後悔されたって訳ですね。

小林:
掃き溜めの鶴」だよ。
そうなんだ、一瞬だけれどな。

田中:
と言いますと?

小林:
電車に乗ってから考えてみたんだが、彼女は、
実に気が利く気配りができる女性であるに
は違いないが、もしかしたら、余りに細かいこ
とにまで気が付き過ぎるかも知れない。で、
亭主の身の回りの事を一一監視していて、
亭主は身動きが取れなくなる可能性もあるな、
ということに思い至ったんだよ。

田中:
確かに。
先輩が、この間おしゃっていた、娘さんが先輩
の背広のポケットをぶちまけたら、「コンドーム」
が入っていたっていうようなことが起きた場合、
どうなるかって事ですよね。

小林:
そう、そう、まさに、それ!

田中:
先輩の奥様は、どういう反応でしたっけ?

小林:
「これは、何ですか?」って聞かれたよ。

田中:
それで、何てお答えを?

小林:
「お客様の健康を守るために、持ち歩いてい
 るのさ」って答えたんだよ。

田中:
しらじらしい
よくも、とっさにそういう取ってつけたような言い訳
ができるものですね?

小林:
お前なら、どう言う?

田中:
「あれー、何かの間違いじゃないでしょうか・・・?」

小林:
目くそ鼻くそ」、「五十歩百歩」だぜよ。

2010年2月3日

大和撫子(やまとなでしこ)、鬼嫁(おによめ)、後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)、ズケズケとものを言う(ずけずけとものをいう)、拝み倒す(おがみたおす)、男を立てる(おとこをたてる)、掃き溜めの鶴(はきだめのつる)

田中:
3.の「後悔」は、説明していただかなくても
理解できますよ。
大和撫子」と結婚できず、「鬼嫁」と結婚
してしまったのを後悔しているっていうこと
でしょう?
まさに、後悔先に立たず、ですね。

小林:
他人(ひと)のことだと思って、随分とズケ
ズケとものを言うな。
実のところ、テレビドラマの「鬼嫁」なんか、
全然「鬼嫁」じゃないよ。
いつも、最後の場面は、夫婦でお風呂に
入る場面だろ。
一緒にお風呂に入ってくれるなんて、
「鬼」どころか、「仏」様だぜよ。

田中:
エッ、背中も流してくれないんですか?

小林:
そうだよ。
拝み倒しても、無理だよ。
「私の同級生は、誰もそんな風に、男を
立てることはしませんよ。」って、冷た
~く突き放されるだけさ。

田中:
それじゃー、日本中、「スーパー鬼嫁」だらけ
ってことなんですか?

小林:
そうだよ。
そんなの常識だよ。

田中:
では、「大和撫子」は、どこにいるのでしょうか?

小林:
だから、彼女に遭って、俺は、「掃き溜めの鶴
に出会ったという思いがしたのさ。

田中:
何ですか、それ????

2010年1月26日

改めて考えさせられる(あらためてかんがえさせられる)、持ち前(もちまえ)、条件反射的(じょうけんはんしゃてき)、常日頃(つねひごろ)、化身(けしん)、そんじょそこらの、一張羅(いっちょうら)、御年(おんとし)、天女(てんにょ)

田中:
先輩、2.の勇気ですが、どういうことなので
しょうか?

小林:
ああ、「勇気」ということについて、改めて考え
させられたってことだよ。
彼女の持ち前の勇気に感銘を受けたってこ
とだよ。

田中:
持ち前ね?

小林:
そうなんだ。彼女の今回の行動は、まさに、
条件反射的だったと思うんだ。
常日頃から、自然に「心」と「体」が反応する
ようになっていないと、こういう素早い行動は
取れなかったと思うんだ。
「心」に一瞬の迷いもなく、「体」もごく自然に
動いたんだよ。
こういうのを、本当の「勇気」というのではない
かと思ったんだ。

田中:
なるほど。

小林:
もしかしたら、彼女は、菩薩様の化身だった
かも知れないな。
そんじょそこらには、こういった資質というか、
習慣を備えた人は、いないだろう。

田中:
で、住所や名前をお聞きになったのですか?

小林:
それが、一陣の涼風が駆け抜けるか如く、さっと
姿を消されてしまったんだよ。

田中:
テレビの「力」で、探してもらいましょうか、その
人、いや、菩薩様を。

小林:
そうだな。
1970年代後半と言うのは記憶間違いで、
「1985年の6月のある日、朝7時半頃、
 下総中山駅のホームで、一張羅のスーツ
 を着て颯爽と歩いている青年サラリーマン
 を窮地から救ってくれた人は、誰ですか?」
ってな。
見つかるかな?
御年、65歳位になっていらっしゃるはずだが。

田中:
どういうご家庭に育ったんでしょうか、どういう
ご家庭をお持ちだったんでしょうかね、その
天女様?

小林:
天女????

2010年1月22日

亭主関白(ていしゅかんぱく)、のたまわれる、腑に落ちない(ふにおちない)、片鱗もない(へんりんもない)、アクシデント、ハップ二ング、ローマは一日にしてならず、一朝一夕、大きく出る(おおきくでる)

田中:
先輩の奥様が、「亭主関白か、自由か?」と
のたまわれたのは、腑に落ちませんね。

小林:
さすが、タ~さん、その通りだよ。
もともと、亭主関白片鱗もなければ、
自由なんかこれっっぽちもありゃーしない
よ。

田中:
ところで、次の質問ですが、先輩は、この
アクシデントに対して、どういうご感想を
お持ちですか?

小林:
アクシデント??
ハップ二ングじゃないのか?

田中:
どちらでも、いいですが、ご感想は?

小林:
そうだな、主に次の三つというところかな。
1.土壌
2.勇気
3.後悔

田中:
短過ぎます。
補足をお願いしますよ。

小林:
まず、1.だが、こういう女性を生み出した土壌、
風土というものに思いが及んだんだよ。
ローマは一日にしてならず」、一朝一夕には、
こういう女性は生み出されないはずだ。
まず、数千年は、かかるな。
つまり、紫式部の時代から、徐々に育まれて来
たものなんだよ。

田中:
数千年?
これは、また、大きく出ましたね。

2010年1月17日

報告する(ほうこくする)、命令する(めいれいする)、目に見えている(めにみえている)、後学のために(こうがくのために)、やりたい放題(やりたいほうだい)、亭主関白(ていしゅかんぱく)、藪蛇(やぶへび)、以外のなにものでもない(いがいのなにものでもない)

田中:
先輩、次の質問ですが、この事件を
奥様に報告されましたか?

小林:
奥方は、上司ではないので、報告は
しないよ。
話題にしたかどうかだろう?

田中:
そうです、そうです。

小林:
とんでもないよ。命令されたって、
絶対、話さないよ。

田中:
「実は、今朝、こんな衝撃的な事件
があったんだよ。・・・・・」って、話し
ません?

小林:
相手がどう出て来るかが、目に見えて
いるからだよ。

田中:
そこを後学のために、聞かせてくださ
いよ。

小林:
きっと、こうなるよ。

「こういう女性が、この世に存在するなん
 て信じられなかったよ。」

「な~るほど、やっぱり、そういうタイプの
 女性にあこがれているんですね。
 どうせ、私は、夫に尽くすタイプじゃない
 から。
 大体、なんで、そういう女性を選ばなか
 ったのよ?
 そういう女性は、夫の首に縄をくくりつけ
 てしっかりと管理し、私のように、やりた
 い放題にはさせてくれないわよ。
 どっちを選ぶ、亭主関白、それとも自由?
 いずれにせよ、私は、変わりませんからね。
 私の同級生は、皆、私と同じ考えなのよ。
 大体、その女は、何てことをしてくれるの。
 でしゃばり女め。
 口の使い方を知らないわね。
 口は、ものを言うためにあるのよ。
 ・・・・・」

田中:
なるほど、なるほど。
確かに藪蛇以外のなにものでもないですね。

2010年1月15日

自力更生(じりきこうせい)、蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)、けちをつける、風通しがいい(かぜとおしがいい)

田中:
先輩、次の疑問点は、何故、前の日の
夜、奥様が「縫い糸」に気が付かなかっ
たのかということですが?

小林:
あー、それは、スーツは、自分で買った
からだよ。

田中:
エッ、先輩のところ、スーツは、ご自分で
買われるのですか?

小林:
もちろん、自力更生だよ。

田中:
では、ネクタイは?

小林:
ネクタイ、パンツ、靴下、・・・全て、自分で
購入し、自分で繕うんだよ。

田中:
味気ないですね。

小林:
いやー、蓼食う虫も好き好きだろう。
自分の気に入ったものが買える上に、
相手からけちをつけられなくていいん
だよ。
もちろん、誰もほめてはくれないがね。

田中:
何だか、お宅は、風通しがいいのか
悪いのか、分かりませんね。

小林:
お互い、寝室に鍵を掛けているから、
どちらかと言うと、空気は淀んでいる
んじゃないかな?

田中:
???????????

2010年1月13日

専業主婦(せんぎょうしゅふ)、出社する(しゅっしゃする)、フェミニスト、けんもほろろ、原因と結果を取り違える(げんいんとけっかをとりちがえる)、高給取り(こうきゅうとり)、八面六臂(はちめんろっぴ)、仕事に身が入らない(しごとにみがはいらない)、口は災いの元(くちはわざわいのもと)

田中:
先輩、最初の質問は、先輩の奥様が、
この「縫い糸」に全く気が付かれなかっ
たのは、何故でしょうか?
毎朝、「行ってらっしゃい」って玄関で
見送りをしてくれているはずですよね?

小林:
それが、我が家では、違うんだな。

田中:
エッ、なんだか、日本の家庭らしくない
ですね。
先輩のところ、専業主婦でしょう?
だったら、朝食の準備は、奥様でしょう?

小林:
いや、それが、家内は、AB型なんで、
睡眠が足りないと一日中つらいらしい
んで、朝食は、自分で用意するんだよ。
スープや味噌汁を音を立てずに静かに
呑んで、コソ泥のように忍び足で玄関
のドアをそっと開けて出社するんだよ。

田中:
そうなんですか?
見かけによらず、フェミニストなんです
ね、先輩は。
では、「お出かけのキッス」もないんです
か?

小林:
そうなんだ、ドイツの調査によると「お出
かけのキッス」をする夫婦は、平均収入が
高いということを聞いて、要求してみたん
だけれど、けんもほろろでね。

田中:
先輩、それは、原因と結果を取り違えて
いますよ。
高給取りだからこそ、奥さまが、毎朝、愛情
のこもったキスをしてくれるんですよ。

小林:
いや、そうとばかりも言えまい。
毎朝、気持ちよく送り出してもらえればこそ、
会社で八面六臂の働きをして、給料もぐんぐん
上がるんだよ。

田中:
なるほど、なるほど。
それで、先輩は、仕事に身が入らないって
訳なんですね。

小林:
お前、口は災いの元だぞ!

2010年1月6日

状況が飲み込める(じょうきょうがのみこめる)、見ず知らずの(みずしらずの)、にわかには信じられない(にはかにはしんじられない)、所要時間(しょようじかん)、気が動転する(きがどうてんする)、公衆の面前(こうしゅうのめんぜん)、クリアにしておきたい

小林:
最後のキーワードは、「糸切り歯」だよ。

田中:
まさか!!!!?????

小林:
やっと、状況が飲み込めたようだな?

田中:
先輩、にわかには信じられませんよ。
駅のホームで後ろから来た見ず知らずの
女性が、ぱっとしゃがむなり、スーツの
タスキ掛けの縫い糸を、糸切り歯で噛み
切ったっていうんですか?

小林:
そうなんだ。
それも、所要時間、たったの4秒。
すごい早業だったんだ。

田中:
で、歯でかみ切った糸を、手でかざして、
「これが付いていましたよ」って言ったん
ですか?

小林:
いや、それが、俺も、気が動転していて、
よく覚えていないんだよ。
多分、その戦利品を、かざしただけで、
無言だったと思うな。

田中:
だとすると、その縫い糸は、どこに行った
んですか?

小林:
それも、定かではないんだけれど、多分、
彼女が自分のバッグにしまってくれたと思
うな。

田中:
公衆の面前ででしょう?

小林:
もちろん。
それどころか、総武線の電車は、混雑の
極みで、電車に乗っている人で、ホームを
見ていた人も多かったはずだよ。
ただし、あっという間の出来事だったん
だけどね。

さあ、これなら、「ひつまぶし」でも、
「ビフテキ」でも、おごる気になっただろう?

田中:
なりましたよ、なりましたよ!!!
でも、食事の前に、何点かクリアにしておき
たいことがあります。

2010年1月4日

颯爽と(さっそうと)、知らぬが仏(しらぬがほとけ)、ところがどっこい、さにあらず、察しの良さ(さっしのよさ)、右に出る者がいない(みぎにでるものがいない)、大和撫子(やまとなでしこ)、やおら

小林:
まず、俺が、ホームの中ほどを颯爽と歩いている。

田中:
私が、目の前を歩いている若いサラリーマンの後ろ
姿を認める。
(あッ、この人、スーツ、卸したてなんだ。
 縫い糸がかかったままだ。
 気がついていない。
 知らぬが仏、ウッシッシー!
 いや、かわいそうだ、
 教えてあげよう。)

あの、ちょっと、ここが・・・・。

小林:
おい、しゃがめ!
そして、おれの尻にくっつけよ!

田中:
エーッ、それは・・・。
肩をたたいて、それから、指で、スーツの
切れ込みを指させばそれで十分でしょうが?
意味のない、無駄な動きというものですよ。

小林:
だろう?
君もそう思うだろう?
ところがどっこいさにあらず
さすがの察しの良さにおいては右に出る者
がいないといつも豪語している君でも、実際
に何が起きたか推測がつかないという訳だ。

田中:
あッ、分かりましたよ。
その大和撫子が、バッグから、やおらハサミ
を取り出して、「プッツン」と縫い糸を切ってくれ
たんでしょう?
女性で、裁縫道具を携帯している人は多いで
すからね。
いや、その方は、縫製関係のお仕事をされて
いたのかも知れませんね。

小林:
頭がうまく回転し始めたようだね。
あともう一歩だよ。

田中:
????

2010年1月2日

佳境に入る(かきょうにはいる)、大和撫子(やまとなでしこ)、お世辞にも(おせじにも)、中らずとも遠からず(あたらずともとおからず)

小林:
本当、分かるの?

田中:
分かりますよ。
先輩が卸したてのスーツを着て駅の
ホームを歩いていたんですよね。
そのスーツの後ろの切れ込みに
タスキ掛けに縫い糸が掛けられて
いたのに、先輩は、それに全く気付か
ず、「このスーツはもう100日も着てい
るぞ」ってな感じで歩いていたんです
よね?

小林:
うんうん、それから?
いよいよ、佳境に入って来たな。

田中:
後ろを歩いていた妙齢の婦人がそれに
気がついて、「あのう、ちょっと、失礼で
すが・・・」って声をかけて来たんでしょう?

小林:
まず、妙齢の婦人というより、「大和撫子
と言って欲しいな。
それから、声をかけるのに、「しゃがむ」必要
があるか?

田中:
そうですね?
変ですね?
あー、その女性、身長が・・・。

小林:
違う、違う。
俺も、見ての通り、お世辞にも背が高いと
は言えないしなあ。

田中:
では、指で、問題個所を「つついた」んでしょう?

小林:
「お兄さん、ここが未処理ですよ。むだ糸は、
ちゃんと処理しましょうよ」ってか?

田中:
そうです。
もう少し丁寧に、「あのう、失礼ですが、ここの
ところ、まだ抜糸できていませんよ」とか言った
のかも知れませんね。

小林:
中らずとも遠からず、ってとこかな?
よし、二人で、再現してみようや。