2013年3月26日

手(て)が離(はな)せない、基本動作(きほんどうさ)、例の報告書(ほうこくしょ)、ヤバい、警察(けいさつ)のお世話(せわ)になる、仕出(しで)かす、心得(こころえ)、持(も)ち合(あ)わせている、ズバリです、ストレートにものを言う、態度(たいど)を改(あらた)める、マジ、昇進(しょうしん)、地獄(じごく)の苦(くる)しみ、ところがどっこい、一足(ひとあし)先(さき)に行(ゆ)く、ピッカピカ、ヤベ―

課長:
綾小路君、ちょっと。

課員:
・・・・・・・・・。

課長:
おい、君!

課員:
何ですか?
今、仕事中なんですよ。
手が離せません。

課長:
何言ってるんだ。
上司が呼んだら、返事せんか。
全く、基本動作がなってないな。

課員:
何でしょうか?

課長:
例の報告書だけど、どうなった?

課員:
今、必死で書いてます。
そのうち出来ると思います。

課長:
そのうち?
ふざけな!

課員:
課長、俺って、相当ヤバいっすよね?

課長:
何が?
何か警察のお世話になるようなこと
を仕出かしたのか?

課員:
違いますよ。
会社員としての最低限の心得も持ち
合わせていないってことです。
課長をいつも無視していますよね?
本当は、心の中では、尊敬しているん
ですけどね。

課長:
ウソ言え。
腹の中では、いつも私を殴りたいと思っ
ているだろう?

課員:
ズバリです。
課長だって、部長を殴りたいと思っている
でしょう。
同じですよ。

課長:
お前、今どきの若者らしくないな。
随分とストレートにものを言うな。
それじゃあ、みんなと仲良くやっては行け
ないぞ。
そういう態度を改めないと、あそこへ行っ
てもらうしかないな。

課員:
マジッす?
昇進ってことですよね?

課長:
まあ、かなり高いところだからな。
65階だからな。

課員:
ヤッター!
やっと、この地獄の苦しみから抜けられる。

課長:
ところがどっこい、私が一足先に行くことに
なったんだよ。
高いところで、隣の君の机をピッカピカに
磨いて、待っているからな。

課員:
げーーー、マジ、ヤベ―!


















 

2013年3月11日

めし、家庭問題(かていもんだい)、禁煙(きんえん)、聞(き)き捨(ず)てならない、切願(せつがん)、恫喝(どうかつ)、御法度(ごはっと)、似(に)たり寄(よ)ったり、食後(しょくご)の一服(いっぷく)、孤独感(こどくかん)が募(つの)る、泣(な)いて喜(よろこ)ぶ、例(れい)の、鰻屋(うなぎや)、足(あし)を引っ張(ひっぱ)る、泣(な)いて悲(かな)しむ

部長:
石原君、めし、食った?

課長:
いえ、まだですが・・・。

部長:
じゃあ、一緒に行こうよ。

課長:
はい、と言いたいところですが・・・。

部長:
胃の具合でも悪いの、仕事のし過ぎで?
或いは、家庭問題で。

課長:
いいえ、実は、禁煙していまして・・・。

部長:
それは、聞き捨てならないな。
君まで禁煙となると、私は、いよいよ孤立
するな。

課長:
すみません。
妻が、「居酒屋のタバコの煙は、北京の
空気よりも汚れている」という週刊誌の
記事を読んで、切願するものですから。

部長:
セツガン?接岸?接眼?
ああ、それは、命令だろうが。

課長:
はい、実は、そうなんです。
恫喝と言った方がより正確かも知れません。
ですから、タバコの吸えるレストランへ
ご一緒することは、御法度なんですよ。

部長:
そうか、我が家も、似たり寄ったりの状況
だよ。

課長:
そうなんですか?

部長:
とにかく、我が家の半径1キロ以内では、
タバコを吸ってはいけないって言うんだ
よ。
それで、仕方なく、お昼に、食後の一服
を楽しむくらいしか、タバコを吸う機会が
ないんだよ。
君が、それに付き合ってくれないとなると、
孤独感が募るな。

課長:
申し訳けございません。
部長も、この際、私と一緒に、頑張って
みませんか?

部長:
そうだな。
やってみるかな。
女房も、泣いて喜ぶだろうから。

課長:
では、決まりですね。

部長:
よし、明日から、そうしよう!
だから、君、今日は、最後の記念に、
今から、思い切りタバコの吸える例の鰻屋
に行って、それから、あそこの気の利いた
コーヒーショップに行こうや。

課長:
部長、そうやって、私の足を引っ張らないで
下さいよ。
女房が、泣いて悲しみますよ。