田中:
先輩、最初の質問は、先輩の奥様が、
この「縫い糸」に全く気が付かれなかっ
たのは、何故でしょうか?
毎朝、「行ってらっしゃい」って玄関で
見送りをしてくれているはずですよね?
小林:
それが、我が家では、違うんだな。
田中:
エッ、なんだか、日本の家庭らしくない
ですね。
先輩のところ、専業主婦でしょう?
だったら、朝食の準備は、奥様でしょう?
小林:
いや、それが、家内は、AB型なんで、
睡眠が足りないと一日中つらいらしい
んで、朝食は、自分で用意するんだよ。
スープや味噌汁を音を立てずに静かに
呑んで、コソ泥のように忍び足で玄関
のドアをそっと開けて出社するんだよ。
田中:
そうなんですか?
見かけによらず、フェミニストなんです
ね、先輩は。
では、「お出かけのキッス」もないんです
か?
小林:
そうなんだ、ドイツの調査によると「お出
かけのキッス」をする夫婦は、平均収入が
高いということを聞いて、要求してみたん
だけれど、けんもほろろでね。
田中:
先輩、それは、原因と結果を取り違えて
いますよ。
高給取りだからこそ、奥さまが、毎朝、愛情
のこもったキスをしてくれるんですよ。
小林:
いや、そうとばかりも言えまい。
毎朝、気持ちよく送り出してもらえればこそ、
会社で八面六臂の働きをして、給料もぐんぐん
上がるんだよ。
田中:
なるほど、なるほど。
それで、先輩は、仕事に身が入らないって
訳なんですね。
小林:
お前、口は災いの元だぞ!
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