2013年5月16日

社長交代(しゃちょうこうたい)、お披露目(ひろめ)、首尾(しゅび)よく、幹部会(かんぶかい)、火星進出(かせいしんしゅつ)、下手(へた)の考(かんが)え休(やす)むに似(に)たり、支社(ししゃ)、地鎮祭(じちんさい)、禰宜(ねぎ)、神主(かんぬし)、掃(は)いて捨(す)てるほど、生粋(きっすい)の、大当(おおあ)たり、実家(じっか)、由緒(ゆいしょ)ある家系(かけい)、ご存(ぞん)じあるまい

部長:
伊勢君、あの件は、どうなった?

課長:
あの件?
ああ、社長交代パーティーのことでしょう
か?
お披露目ですから、盛大にやるべく準備
を進めておりますが・・・。

部長:
違うよ。
そちらは、首尾よくやってくれればそれで
いいよ。
昨日の幹部会で話題に出た件だよ。

課長:
ああ、火星進出の件ですね。

部長:
そうだよ。
何かいい考え、思いついたかね?
それとも、下手の考え休むに似たり、かね?

課長:
あれって、社長お得意の冗談でしょう。
まさか、火星に支社を開設するなんて。

部長:
冗談じゃないよ。
私は、彼に30年仕えて来たから分かるんだ。
彼は、本気だよ。
問題は、地鎮祭だ。
「禰宜」をどうするかだ?

課長:
「ネギ」??
火星で「ネギ」を栽培するんですか?

部長:
違うよ。
地球で「禰宜」、即ち「神主」を育てて、火星の
「玉ねぎ」の栽培地で地鎮祭をやるんだ。

課長:
そんなの、「神主」様を地球からお連れしたら
いいではないですか?
「神主」なんか、掃いて捨てるほどいますよ。

部長:
そうはいかないよ。
第一陣は、片道切符で行くんだから、社員で
ないと困るんだ。

課長:
では、社員の誰かを「神主」に育て上げる必要
があるって訳ですね。

それにしても、なんで、火星にまで行って、地鎮
祭をやらなくちゃならないんですか?

部長:
何を言ってるの。
うちは、生粋の日本企業じゃないか。
火星の「カミ様」にご挨拶なしに、事業を始める
訳には行かないだろうが。

いいかい、この点さえクリアできれば、この事業
は、大当たり、間違いなしなんだ。

課長:
かしこまりました。
早速、課員を集めて、意見を聞いてみます。

(ああ、危なかった!!!
 まさか、私の実家が由緒ある「禰宜」の家系だ
 とは、火星の「カミ様」でもご存じあるまい)