田中:
何はともあれ、先輩、「肥溜の天女」に出会った瞬間、
後悔されたって訳ですね。
小林:
「掃き溜めの鶴」だよ。
そうなんだ、一瞬だけれどな。
田中:
と言いますと?
小林:
電車に乗ってから考えてみたんだが、彼女は、
実に気が利く、気配りができる女性であるに
は違いないが、もしかしたら、余りに細かいこ
とにまで気が付き過ぎるかも知れない。で、
亭主の身の回りの事を一一監視していて、
亭主は身動きが取れなくなる可能性もあるな、
ということに思い至ったんだよ。
田中:
確かに。
先輩が、この間おしゃっていた、娘さんが先輩
の背広のポケットをぶちまけたら、「コンドーム」
が入っていたっていうようなことが起きた場合、
どうなるかって事ですよね。
小林:
そう、そう、まさに、それ!
田中:
先輩の奥様は、どういう反応でしたっけ?
小林:
「これは、何ですか?」って聞かれたよ。
田中:
それで、何てお答えを?
小林:
「お客様の健康を守るために、持ち歩いてい
るのさ」って答えたんだよ。
田中:
しらじらしい!
よくも、とっさにそういう取ってつけたような言い訳
ができるものですね?
小林:
お前なら、どう言う?
田中:
「あれー、何かの間違いじゃないでしょうか・・・?」
小林:
「目くそ鼻くそ」、「五十歩百歩」だぜよ。
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