2012年12月30日

定刻(ていこく)になりましたので、タスクフォース、夜(よ)を徹(てっ)し、侃々諤々(かんかんがくがく)、無(な)い知恵(ちえ)を絞(しぼ)る、たたき台(だい)、ダメ出(だ)し、退路(たいろ)を断(た)たれる、前言(ぜんげん)、・・ばり、言(い)いっこなし、美技(びぎ)、メロメロ、ノーズロ、殿方(とのがた)、口(くち)を慎(つつし)む、本題(ほんだい)に戻(もど)る、機微(きび)に通(つう)じる、足元(あしもと)にも及(およ)ばない、一穴主義(いっけつしゅぎ)、男尊女卑(だんそんじょひ)、時(とき)の流(なが)れに身(み)を任(まか)せる、先延(さきの)ばし、ご苦労様(くろうさま)でした、慰労(いろう)、繰(く)り出(だ)す

社長:
では、定刻になりましたので、会議を始めます。
今日は、まず、専務より、マーケット依存度に
関する研究結果を発表してもらいます。

専務:
はい、では、発表させていただきます。
前回、社長よりご指摘いただきました中国市場
に対する依存度問題を軸に、その他主要市場
に対する最適依存度を算出すべく、タスクフォース
メンバー全員が、夜を徹し、侃々諤々、無い知恵
を絞ってまとめてみました。
あくまで、たたき台です。
また、前回のように、社長より「ダメ出し」をもらい、
完全に退路を断たれないよう、二つの案を作って
みました。

社長:
退路を断ったつもりはなかったがな・・・。

専務:
前言、訂正いたします。
深い深いバンカーにつかまったって感じです。

社長:
君、この間のバンカーショット、見事だったな。
タイガーウッズ、いや、全美貞ばりだったよ。

専務:
社長、この間のゴルフの事は、言いっこなしに
しましょうよ。
我々一同、社長の美技に酔いしれて、メロメロ
でしたから。

常務:
社長、8番の「ノーズロ」なんか、凄かったです
よ。

取締役:
エヘン、殿方殿、レディーもいますので、口を慎ん
でいただけませんか。

専務:
本題に戻ります。
第1案:中国/0%、 北米/20%・・・・・・・・
第2案:中国/15%、北米/20%・・・・・・・
となっております。

第1案は、社長のご指摘を考慮したものとなって
おりますが、男女の関係と同じで、従来の関係を
いきなり断ち切るということは、かなりの痛みを
伴います。精神的にも、物質的にも。
やはり、同じ別れるにしても、少しづつ熱を冷まし
てゆくのが、波風を立てない賢明なやり方だと
考えます。それが、第2案です。

いかがでしょうか?

副社長:
専務は、なかなか男女関係の機微に通じている
ようですね。
うまいことを言いますね。
相当、幅広いお付き合いをして来たんでしょうな。

専務:
いえいえ、とてもとても、副社長の足元にも及び
ませんよ。
私は、不器用でして、一穴主義を通しております。

取締役:
専務、そういう男尊女卑的な言葉は、使わない
でくださいよ。

社長:
まあ、男女関係というのは、・・・、いや、取引関係
というものは、熱くなったり、冷めたりで、それの
繰り返しだな。
ある程度、自然の流れに身を任せた方がいいかも
知れないな。

専務:
「時の流れに身を任せ・・・・」ですね。

社長:
そうさ、政権も変わったことだし、それで行こう。
時の流れに身を任せ、市場依存度策定は、
2年間先延ばしにしよう。
専務、ご苦労様でした。
また、2年後に頼むよ。
慰労のために、今夜は、銀座に繰り出そうか。

専務:
はい、社長の彼女・・・、いえ、例の店ですね。

社長:
久しぶりだな。
元気しているかな?

































 

2012年12月22日

大社長(だいしゃちょう)、口(くち)を開(ひら)けば、手(て)のひらを返(かえ)したように、ここだけの話(はなし)ですが、貧乏(びんぼう)くじを引(ひ)く、もったいぶる、一悶着(ひともんちゃく)、聖人君子(せいじんくんし)、天下国家(てんかこっか)、金(かね)を貢(みつ)がされる、根(ね)に持(も)つ、むしり取(と)られる、ケツの穴が小さい、宗旨(しゅうし)替(が)え、元(もと)の木阿弥(もくあみ)、

専務:
常務、どう思う?

常務:
ああ、うちの大社長のこと?

専務:
そうだよ。
あれだけ、口を開けば、「中国、中国」って
言っていた人が、まるで手のひらを返した
ように、「アンティ・チャイナ」になってしまう
とは、まったく・・・。

常務:
ここだけの話ですが、・・・、実は、・・・、
本当に、ご存じないんでしょうか?

専務:
何を?

常務:
本当にご存じないんですよね?

専務:
私は、貧乏くじを引いただけよ。
何も知らないよ。
「チャイナ+1」で怒られ、「中国20%」でまた
叱られ、全く、ついてないよ。

常務:
そうですか、ご存じないんですか?

専務:
もったいぶらず、教えてよ。

常務:
例の銀座の彼女・・・。

専務:
ああ、あの中国美人?
どうかしたの?

常務:
専務は、こういう方面に疎いですね。
彼女、最近、社長と一悶着あったようですよ。

専務:
何・・・、ああ、そういうこと。
社長が、尖閣諸島問題を巡って彼女とケンカ
したってこと?

常務:
専務は、本当に、聖人君子みたいな人ですね。
社長の「ケツの毛」発言を思い出してくださいよ。
そんな天下国家の問題で言い合いをするはず
ないでしょうが。
全ては、「金銭問題」ですよ。

専務:
なるほど、納得。
彼女に、金を貢がされたのを根に持っているっ
て訳か。

常務:
当たり!

専務:
どの位、むしり取られたの?

常務:
どうやら、「一本」位やられたそうですよ。

専務:
一億?

常務:
いえいえ、100万円。

専務:
何だ、大社長も、ケツの穴が小さいな。
たった、100万で、宗旨替え?

常務:
ですから、市場依存率の件ですが、そんなに
真面目に考えることないですよ。
ゴルフで、みんなでわざと負けて、100万円
貢いでやれば、元の木阿弥ですよ。

専務:
よっしゃ、分かった。
それで行こう。
早速、君、ゴルフをセットしてくれないか?

常務:
はい。














 

2012年12月18日

定刻(ていこく)になりました、長期戦略(ちょうきせんりゃく)、お手元(てもと)にお配(くば)りした、かいつまんで説明(せつめい)する、内訳(うちわけ)、お見受(みう)けします、白昼夢(はくちゅうむ)、ケツの毛(け)まで抜(ぬ)かれる、認識(にんしき)が甘(あま)い、数字(すうじ)をはじく、・・・びいき

社長:
では、定刻になりましたので、会議を始め
ます。

今日の議題は、前回に引き続き、我が社
の長期戦略についてであります。

専務、宿題は、出来ましたか?

専務:
はい、発表させていただきます。

我が社の、各マーケット別依存度ですが、
お手元にお配りした1ページの資料をご覧
下さい。

かいつまんで説明させていただきますと、
主要マーケットに対する依存度は、以下の
ようになっております。

日本/20%、北米/20%、中国/20%、
インド/10%、ASEAN/10%、
欧州/10%、南米/5%、ロシア/3%、
アフリカ/2%

副社長:
 
ASEANの内訳は?

専務:
はい、インドネシア/ 3%、タイ/2%、
韓国/2%等となっております。

社長:
副社長、どうかね?

副社長:
なかなか、バランスがとれた良い案
だと思いますが・・・。

社長:
他に意見は?

常務:
欧州の数字が少し大き過ぎるような
気がしますが・・・。
それ以外は、よく考えられた数字だと
お見受けします。

社長:
君ら、長期計画というのは、「願望」か
ね、「目標」かね、それとも、「実行可能
な数字」かね?

専務:
はい、「実行可能な目標」と考えて、
策定しました。

社長:
これが、実行可能?
どこが、実行可能ですか?

いいですか、中国20%などというのは、
本当に可能なんですか?

君達、「白昼夢」を見ているんじゃない
か?

専務:
と、言われますと?
中国の数字をもう少し厳しく見て、
中国10%位にしないといけないという
ことでしょうか?

社長:
私は、毎日24時間、このことを考え続け
ているんだが、中国は0%とすべきだ。
あいつらと商売をやっても、ケツの毛まで
抜かれるだけさ。

専務:
社長、それは、いくらなんでも。

取締役:
社長、もう少し品のある物言いがお出来
になりません?
女性もいますので・・。

社長:
ゴメンゴメン!
だが、君ら、認識が甘すぎるぞ。

社長:
我が社は、中国市場に依存しない経営体制
を構築するつもりだ。

専務、ご苦労だが、中国を0%にする前提で、
もう一度目標数字をはじいてみてくれないか?

副社長:
中国びいきの社長の発言とは、到底思えませ
んね。

社長:
誰が、中国びいきだ?

いずれにせよ、ビジネスをやる人間が、
「・・びいき」などと言っていては、この厳しい
世界で生き延びることはできないんだぞ。

じゃあ、専務、よろしく。
次回の経営会議までに、取りまとめておいて
くれたまえ。

専務:
はい、かしこまりました。





   
  



    
    
    


 

2012年12月9日

長期経営戦略会議(ちょうきけいえいきせんりゃくかいぎ)、巡(めぐ)る、状況下(じょうきょうか)、長期的(ちょうきてき)ヴィジョン、素案(そあん)、喫緊(きっきん)、革新的(かくしんてき)、打(う)って出(で)る、・・様様(さまさま)、土下座(どげざ)する、慌(あわ)てまくって、伝家(でんか)の宝刀(ほうとう)、悠長(ゆうちょう)に、叡智(えいち)を絞(しぼ)る、早急(さっきゅう)に、無(な)い知恵(ちえ)を絞(しぼ)る

社長:
これから、長期経営戦略会議を始めま
す。
まず、現状の分析を、常務から発表し
てもらいます。

常務:
はい、では、発表いたします。
まず、最近の中国を巡る一連の動きは、
激動とも言うべきものであり、とりわけ、
日中関係の緊張化は、我々を含む日本
企業に多大な影響を与えております。
我が社も、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
以上であります。

社長:
皆さん、いかがですか?
よくまとまっていましたよね。

常務:
ありがとうございます。

社長:
では、こういう状況下にあって、我が社
はどのような長期的ヴィジョンを持って
臨むべきかについて、専務より、議論
のたたき台となる素案を発表してもら
います。

専務:
はい、では、発表させていただきます。

えー、我が社にとりましても、「チャイナ
+1」が喫緊の課題として・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
以上です。

社長:
副社長、どうでしたか?

副社長:
はっ、大変前向きで革新的な計画だと
思いました。

社長:
どこが?

副社長:
中国以外にASEANにも打って出ようと
いう点です。

社長:
ダメだな。
皆さん、いいですか?
全地球を見渡してみれば、いろんな国が
あるんですよ。
勿論、中国は人口も多く、マーケットも大
きいといえますが、他にも大きな国はあり
ます。
アジアだけでも、インドやインドネシアがあ
ります。

今回の中国の官製反日運動は、我々に目
を覚まさせてくれたいい機会と捉えなけれ
ばいけないんですよ。
まさに、中国様様ですよ。
「チャイナ+1」などというメディアが作り
出した幻想に惑わされていちゃいけない
んだよ。
もし、日本企業が中国依存度をあのまま
強めて行って、仮に三年後に同じことが
起きたとしたら、どうなったと思うかね?
日本は、土下座するしかなかったんだ。
まあ、あちらさんも、必死で、慌てまくって
伝家の宝刀まで抜いてしまったみたいだが、
それが、ありがたいと私は言っているので
すよ。
我が社の場合も、今くらいの中国依存度だ
ったから、こうして、コーヒーを飲みながら、
悠長に会議なんか開いていられるんだよ。

私の方針を申し上げます。
1.社内で「チャイナ+1」という言葉を使用
  禁止とする。
2.目を、広く、アメリカ、ヨーロッパ、アジア
  に向ける。
3.早急に、各マーケットへの依存度を策定
  する。

専務:
では、社長は、売上高に占める中国の割合
をいか程と心づもりされていらっしゃるので
しょうか?

社長:
それを、皆さんに叡智を絞って考えてもらお
うと思っているんだ。
これは、大事な問題なので、向こう1ヶ月か
かっても構わないと思っているよ。
専務、君を中心に、早急に「世界戦略策定
チーム」を作り、徹底的に議論し、素案を
策定してくれたまえ。
私は、その間、アジア、アメリカ、ヨーロッパ
をぐるっと回ってくるつもりだ。

専務:
はい、承知しました。
なんとか、社長をうならせるような「チャイナ
・・」、いえ、「世界戦略」を策定すべく、無い
知恵を絞ってみます。

社長:
頼んだよ。



















 

2012年12月4日

総選挙(そうせんきょ)、ダブル選挙(せんきょ)、新幹線通勤(しんかんせんつうきん)、痛勤(つうきん)、あけっぴろげ、バカ言(い)え、放火(ほうか)騒(さわ)ぎ、真っ向(まっこう)から対立(たいりつ)する、政治的信念(せいじてきしんねん)、出馬(しゅつば)、民主主義(みんしゅしゅぎ)、後(おく)れを取(と)る

課長:
いよいよ総選挙だな。

課員:
ダブル選挙ですよ。
東京都知事選もありますよ。

課長:
そっちの方は、関係ないな。

課員:
ああ、課長は、お住まいが・・・・。

課長:
大宮だよ。
新幹線通勤さ。

課員:
快適でしょう。うらやましいな。

課長:
とんでもない。
痛い通勤、「痛勤」の方さ。

課員:
ところで、課長は、どの政党を支持されるのですか?

課長:
それは・・・。

課員:
アメリカの大統領選では、家の玄関を見たら、どちら
の支持か分かるようになっていますね。
あけっぴろげと言うか、オープンですね。
日本でも、そうしたらいいのに。

課長:
バカ言え!
そんなことをしたら、大変な騒ぎになるよ。
あちこちで放火騒ぎが起きてしまうよ。

課員:
まさか?

課長:
俺なんか、女房にも、明かさないよ。

課員:
本当ですか?
うちでは、毎日、夫婦で議論し合っています。

課長:
本当かい?
で、意見は一致しているのかい?

課員:
真っ向から対立しています。
ですから、当分は、食事は、自炊です。
それでも、仕方ないです。
政治的信念は曲げられませんから。

課長:
そんなに、真剣?

課員:
はい、あちらは、〇〇党、私は、△△党で、
出馬していますので。

課長:
何、君、立候補しているの?
奥さんまで?

課員:
はい、そうなんです。
先輩、それが、民主主義ってものでしょう?

課長:
う~~~ん、我が家は、300年、後れを取っ
ているな。