2012年12月18日

定刻(ていこく)になりました、長期戦略(ちょうきせんりゃく)、お手元(てもと)にお配(くば)りした、かいつまんで説明(せつめい)する、内訳(うちわけ)、お見受(みう)けします、白昼夢(はくちゅうむ)、ケツの毛(け)まで抜(ぬ)かれる、認識(にんしき)が甘(あま)い、数字(すうじ)をはじく、・・・びいき

社長:
では、定刻になりましたので、会議を始め
ます。

今日の議題は、前回に引き続き、我が社
の長期戦略についてであります。

専務、宿題は、出来ましたか?

専務:
はい、発表させていただきます。

我が社の、各マーケット別依存度ですが、
お手元にお配りした1ページの資料をご覧
下さい。

かいつまんで説明させていただきますと、
主要マーケットに対する依存度は、以下の
ようになっております。

日本/20%、北米/20%、中国/20%、
インド/10%、ASEAN/10%、
欧州/10%、南米/5%、ロシア/3%、
アフリカ/2%

副社長:
 
ASEANの内訳は?

専務:
はい、インドネシア/ 3%、タイ/2%、
韓国/2%等となっております。

社長:
副社長、どうかね?

副社長:
なかなか、バランスがとれた良い案
だと思いますが・・・。

社長:
他に意見は?

常務:
欧州の数字が少し大き過ぎるような
気がしますが・・・。
それ以外は、よく考えられた数字だと
お見受けします。

社長:
君ら、長期計画というのは、「願望」か
ね、「目標」かね、それとも、「実行可能
な数字」かね?

専務:
はい、「実行可能な目標」と考えて、
策定しました。

社長:
これが、実行可能?
どこが、実行可能ですか?

いいですか、中国20%などというのは、
本当に可能なんですか?

君達、「白昼夢」を見ているんじゃない
か?

専務:
と、言われますと?
中国の数字をもう少し厳しく見て、
中国10%位にしないといけないという
ことでしょうか?

社長:
私は、毎日24時間、このことを考え続け
ているんだが、中国は0%とすべきだ。
あいつらと商売をやっても、ケツの毛まで
抜かれるだけさ。

専務:
社長、それは、いくらなんでも。

取締役:
社長、もう少し品のある物言いがお出来
になりません?
女性もいますので・・。

社長:
ゴメンゴメン!
だが、君ら、認識が甘すぎるぞ。

社長:
我が社は、中国市場に依存しない経営体制
を構築するつもりだ。

専務、ご苦労だが、中国を0%にする前提で、
もう一度目標数字をはじいてみてくれないか?

副社長:
中国びいきの社長の発言とは、到底思えませ
んね。

社長:
誰が、中国びいきだ?

いずれにせよ、ビジネスをやる人間が、
「・・びいき」などと言っていては、この厳しい
世界で生き延びることはできないんだぞ。

じゃあ、専務、よろしく。
次回の経営会議までに、取りまとめておいて
くれたまえ。

専務:
はい、かしこまりました。





   
  



    
    
    


 

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